縁は形を成していく

22歳の頃、文系大学を卒業して就職した会社を2週間で辞めて音楽の道を志しました。
とりあえず、退社手続きをした直後に楽器店のアルバイトに申し込みの電話した時、とても爽快だったことを覚えています。

楽器店アルバイト時代ははじめは暗くて、貧しくて、惨めなものでした。
学生時代にバンドをやっていたのだけど、音響機材とか音楽理論とか、そういった専門的な知識は全くといっていいほど持ち合わせていなくて、はっきり言って仕事にならなかったです。
毎日怒られてばかりで、職場の人にまともに話してもらえなくて、同世代の同じようなアルバイトもたくさんいたのだけど、仕事ができない劣等感からか自閉して自分から話そうとしませんでした。

なけなしのお金で分厚くて重い音響専門書を買って、毎日、通勤電車の中で読んでいました。
その時に同じ電車に乗っていた先輩が「がんばってるね」って声をかけてくれて、それから当時の2人の通勤経路である赤羽で、軽く飲んで帰ったりすることが多くなりました。

それから10数年。
先輩は3年前からフリーランスとして会社を立ち上げていて、その仕事を手伝うことになりました。
僕はといえば、近からず遠くない分野を専門としているのだけど、少しづつ自分のテリトリーを広げていて、「一緒にやろうよ」って言ってもらったのです。
7月まではダブルワーク、8月からは会社を辞めて本格的にそっちでがんばります。

この出会いは運命だったんだと思います。
バンドも一緒にやった、お店を一緒にやっていたこともある、そしてまだまだ一緒にできることがある。

そういえば、その人とバンドを始めた時、「この人の曲でギター弾きたい」と思って始めたのだけど、
そういう風に思ったのは初めてだった、それまではあくまで自分を表現する手段でしかなかったから。

人生は積み上がったいくつもの偶然だけど。
まるで全てが必然であるかのように、縁が形を成していく。

よし、がんばろう。

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